視覚障害者歩行のサポート方法

私たちが歩行する時は現在の「位置」・歩行先の「方向」・行く先の「地形」を確認して歩いている。しかしこの「位置・方向・地形」が一つでも判断が狂えば完全に歩行は危険にさらされてしまう。
身の回りで迷っている視覚障害者がいれば遠慮なく声をかけてサポートして欲しい。
視覚障害者といっても人によってはそれぞれ見え方が異なる。全盲の人もいれば弱視のひともいる。暗い所が見えにくい人もいれば、逆に明るい所が見えにくい人もいる。
視野の欠如も個人によってかなり異なる。中心部の視野欠如のため横は見えても中心が見えない。また逆に中心が見えても横側は見えない。
視覚障害者は個人によって歩行の困難がそれぞれ違うのである。
最善のサポートは直接どのようなサポートが必要かを尋ねて援助する事である。

ここに書いてあるのは一般的な歩行サポートであるので決して押し付けないように注意してください。

1. 歩行サポートの原則
サポーターは白杖をもった反対側に立ち半歩斜め前を歩く。視覚障害者は白杖を持っている他の手を晴眼者の肘の少し上、または肩を軽く触って歩行する。
視覚障害者は前を歩いているサポーターの体の動きのリズムを自分で判断することによってかなり安心して歩くことができる。
決して後ろから押したり、白杖をもって歩く方向を強制しないように
腕を組んでサポーターの力で無理に誘導するのは視覚障害者にとってはかえって体の自由が奪われて不安感を感じて、歩きにくいものである。

2. 段差の誘導
段差に対して直角に誘導するのが原則である。
サポーターは登り・下りのいずれかをつげ、昇降の第1歩の誘導は少し立ち止まって視覚障害者が段差の位置を確認するゆとりをもたせる必要がある。
昇降の最初と終わりは必ず声をかけてください。
螺旋階段や複雑な形体の階段は手すりを利用するのが安全である。
山道のように複雑な地形を誘導する時は前後に先導人と後見人の間に視覚障害者をはさんで歩行する。
後見人は段差の高さや足の位置や頭上の枝などを詳しく告げて誘導する。
3.狭い場所の誘導
視覚障害者と完全に一列になって歩行する。
両側が危険な場合はその状況を告げ、歩く速度を急に緩めたり速めたりしない事。
4. 車・列車の乗降
車の乗降に関しては先ず車の前後を知らせる。。乗用車の場合は頭が屋根にぶつからないように注意が必要である。
バスの乗下者に関しては乗降口の縁をを手で確認させて誘導する。
列車の乗下者の誘導については、先ずホームのどの位置にいるかを知らせる。
列車とホームの隙間に足をとられたり、落ちないように注意する。
バスと同じ用に乗降口の縁を手で触れさせて、乗下者した方が安全である。
5. 道を教える時
「あちらです。」「こちらです。」というような指示代名詞は使わないようにして、必ず前後左右・右斜め・左斜めなどの具体的な言葉で指示する。
クロックポジション「時計の時間で方向を教える」で1時の方向・10時の方向などと具体的に指示する。この方法が一番詳しくて視覚障害者は理解しやすい。
特にテーブルの上にあるものを指示する時はこのクロックポジションで支持すると良い。

気がつかれた事があれば知らせてください。
もっと多くのことをまとめてみたいと思っています。