「大鼠山(1580m)」  Friday.3/21,2003



碧空に 白樺の木立を 思ひ巡らしつつ 岩井谷より 登る。

汝は 夏道 なき 山にて  冬 我らを 招きたり
我らに ルートを 選ばせて
ワカンジキを足に つけさせたり

眼 見えずして、なにを 求めて 山に 登りたるや
まいて、雪 深き 寒き 冬山に

紅き 花も 紅葉も、飛び通ふ 鳥の 声も なき 山に

重き 荷を 背負ひ
あふるる 汗を ぬぐひつつ
雪に 靴を 捕られ、足重く、息 荒くして

橡の芽に手をかざし、「朝鮮御用」の 松に 逢はんが ためにか
昼餉を 楽しみ、美酒に 酔ひ
愛を はぐくみ、魂を 浄めんがためにか


されど、我は やはり罪、深き 煩悩 多き 放浪の 盲目の 旅人なり


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天候に恵まれて、三ツ星山の会で岐阜県の「大鼠山」(1580m)に登ってきました。
視覚障害者4人(女性1人を含む)。晴眼者6人。女性の子供さん[中学校3年生の男子、小学校の女の子]母の影響で幼少から登山、母の良きサポーター  計 10人。

青空に白樺の木が生えている道の説明を聞きながら車で進み岩井谷から登りまし た。
この山はやはり夏道がないようです。ベテランの皆さんのサポートで先ず地図を 見ながら登山のルートを決めてもらいました。
自分たちでルートを決めて登山するのは初めてです。林道から木の生えた安全な ルートで稜線に出ての登山でした。
途中で橡の芽を触ると、ねばねばした感触でした。周り一色が白銀 の世界ですがここでも春の息吹を感じ取ることができました。
「ワカンジキ」をはいての登山は私達視覚障害者にとっては足を踏み外して負傷 をする心配がないので夏の段差のある山より安心して登れます。
12時過ぎに開けた場所で雪でテーブルを作ってもらい昼食 チーズフォンデュ「溶けるチーズにワインを入れ、串に刺した肉とパンをその上 で焼く」を食べました。本当に美味な味を楽しみました。
帰り道は雪が緩み「ワカンジキ」を履いていてもそのまま沈んでしまい、足を上げると長靴とワカンジキは雪の中。 それを雪の中から掘り出すのが大変でした。
赤松、キタゴヨウ、チョウセンゴヨウなどの松が生えていて、この高さで「チョ ウセンゴヨウ」は珍しいそうです。

雪と戯れ、童心にもどり笑いながらの帰り道でした。 平坦な所では誘導ロープを手放し一人歩きを楽しみました。山中での一人歩きは 初めてです。



6時21分高岡駅
8時30分「神岡銅山の駅前のコンビニでトイレ休憩
10時  登山開始「岩井谷から」
12時20分昼食
13時30分下山
14時30分岩井谷
17時30分富山駅着


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